VHS対ベータ
から学べる集客のコツについて説明しました。なかなか集客がうまくいっていない方はぜひご覧ください。かつてビデオ規格の主導権争いを演じたVHSとベータですが、この2陣営の売り方の違いを理解することで、集客のコツが見えてきますよ。
お客様のニーズを見抜くことが大事!
あなたは広報や営業の方ですか? もしそうなら集客に苦労されているんじゃないでしょうか。どうやったら集客できるのか教えてもらえるものなら教えてほしいですよね。そこで、かつてあったVHS対ベータのビデオ規格争いから集客を学んでみたいと思います。
一見関係なさそうですが、お客様のニーズを見抜くことが大事であるところが読み取れるので、実はバッチリ集客のコツが分かりますよ。
VHS対ベータとはどんな争いだったのか?
現在では、地デジ放送に切り替わったのに合わせてブルーレイレコーダーが主流ですが、VHS対ベータの争いを覚えている方はいらっしゃると思います。DVD規格でも争いがありましたが、VHS対ベータはそれよりも鮮烈だったんじゃないでしょうか。
ところで、このVHS対ベータの争いは、どちらのビデオ規格が主導権を握るかというものでした。まったく互換性がないので、それぞれで別のビデオテープを用意する必要がありました。中には両方のビデオ機器を持っていた方もいらっしゃいましたよね。
テレビへの接続規格や信号は同じなので、ダビングすれば統一はできましたが、規格が2種類あるというのは何とも不便でしたね。よくある規格の主導権争いだったわけですが、集客についてここから学べることがあるのは間違いないです。そこで、VHSとベータの特徴を見ていくことで詳しく分析してみます。
VHSの特徴とは?
VHSのメリットは、多くの会社が採用したことと、ビデオソフトの種類の豊富さでした。いろんな会社が競ってビデオ機器を販売したので進化も早いし、低価格化やいろんな種類の機器が出るというのも大きなメリットだったんじゃないでしょうか。
また、映画やテレビドラマがVHSビデオで多数発売されました。特にレンタルビデオも盛んだったので、いろいろな映像作品を見ることができました。ただし、初期のVHSはビデオとしての基本性能がベータに比べてやや低かったようです。特につなぎ撮りはレインボーノイズ(※)が出てしまっていました。
※ のちにフライングイレースヘッドというものを搭載することで解決しました。
ベータの特徴とは?
ベータのメリットは、ビデオカセットがやや小さいことと、画質が良く編集がしやすいというところでした。とにかく画質にこだわっていて、性能的にはプロ仕様と呼べるものだったと思います。こちらも数社が規格を採用していて、各社から製品が発売されました。
ただし、性能を重視するあまり、独創的な製品は規格からはみ出る可能性もあってか、発売されなかったようですね。また、ビデオソフトは種類が少なくVHSには及びませんでした。
ビデオ規格争いはVHSが勝利した
結局、ビデオ規格争いはVHSが勝利しました。決定的な違いは、ビデオソフトの種類の多さだったようです。消費者の多くは、ビデオに性能を求めたのではなく、映像作品の豊富さを求めたんです。確かにベータの性能はプロスペックですが、一般消費者にはオーバースペックだったようです。
画質が多少悪くても、当時の小さなブラウン管テレビでは違いが分からなかったとも考えられます。だから、どれだけビデオが高画質でも意味がなかったんじゃないでしょうか。つなぎ撮りの問題も克服していたから性能的にはVHSで十分だったんですね。
結果、消費者の要望により近かったVHSが支持を受けて、主導権を握ることとなりました。もちろん勝因はいろいろあるわけですが、お客様の要望に応えることができた、つまり『お客様目線』が実践できていたという点が、集客の観点では重要なポイントなんです。
ベータは本当に負けたのか?
ところで、ベータは市場から姿を消しましたが、本当に負けたんでしょうか? 実は、ベータは現役で今でも生き残っています。どこで使われているのかというと放送局です。もちろん放送局で使うものはより性能が高いんだと思いますが、基本的にベータ規格の機器が使われているんですよ。
登場当初から高性能を売りにしていたわけですが、放送局で採用され続けるだけの性能を有していたんですね。一般向けの製品としては撤退しましたが、プロ向けの世界ではベータが勝利していたんですよ。
重要なのは「誰のためなのか」
VHS対ベータの争いを振り返ってきましたが、重要なのは誰のための商品なのかです。VHS陣営はお客様のニーズに沿ってビデオソフトの充実を図り、ベータ陣営はお客様のニーズよりもビデオ機器としての進化を優先しました。どちらも信念を持って開発したわけですが、商売としてはVHSが正解です。
単純にいうと、VHSはお客様の欲しいものを売り、ベータは自分たちが売りたいものを売りました。自分たちが売りたいものをこだわって売るのはカッコいいかもしれませんが、必ずしもお客様が必要としているものではありません。つまり、商売としては失敗する可能性が高いんです。
ベータが商売として成功するためには、最初から放送局などプロ向けに限定すべきだったんです。プロやマニアはお金に糸目をつけずに性能の高いものを買います。性能にこだわったものはごく一部の人にしか需要がないことをよく理解しておく必要があると思いますよ。
まとめ
いかがでしたか?
VHS対ベータの争いを通して集客のコツについて考えてみました。製造業にしても、販売・サービス業にしても、大事なことは『売りたいもの≠買いたいもの』であることをよく理解して、誰のための商品なのかをあらためて考えてほしいです。
どんなに良い商品やサービスでも、売る相手を間違えれば当然売れません。お客様のニーズとのマッチングに十分注意して商品を選択してほしいと思います。なお、当サイトでは的確にニーズを探りますので、お困りの場合はご相談くださいね。
以上、「VHS対ベータ、学べる集客のコツとは?」と題して説明しました。