ホームページ用サーバーの、選び方を説明します。

ホームページのサーバー、選び方とは?

ホームページ

サーバーの選び方について、7つの超重要ポイントを説明しました。サーバー選択に迷われている方にご覧いただきたい内容です。選択基準だけでなく、仕組みなどの基礎知識についても詳しく解説しているからです。

まずは、ホームページ用サーバーを理解しよう。

ホームページを公開するためには、サーバーを準備する必要があります。でも、具体的にどんなものなのか、わからない方は多いと思います。中には、「サーバーって何?」という方もいらっしゃるのではないでしょう。そこで、最初に基本的なことを説明します。

サーバーは、ネットワーク上に存在していて、パソコンやスマートフォンなどからのアクセスを一手に引き受けるコンピューターで、情報やファイルを共有するのが目的です。各端末に分散させることなく一か所に集めているので、管理がしやすく、常に最新の情報やファイルが使えます。

クライアントサーバー

ところで、サーバーには以下のように多くの種類があります。

  • ファイルサーバー(ファイルを共有します)
  • データベースサーバー(情報を共有します)
  • Webサーバー(ホームページを公開します)
  • メールサーバー(メールのやり取りを管理します)
  • DNSサーバー(ドメイン名とIPアドレスの対応を管理します)
  • プリンタサーバー(プリンターを共有します)

結構いろいろありますよね。このうち、ホームページ公開に利用するのは『Webサーバー』です。つまり、誤って他のものを用意(契約)してもWebサイトは公開できませんので、用途をよく理解することが非常に重要だと言えるでしょう。

そこで、どのようなWebサーバーがあなたにとって最適なのか、選択の仕方を分かりやすく説明していきましょう。

Webサーバーの選び方、ポイントは7つある!

それでは、Webサーバーの選び方のポイントを説明します。ポイントは7つに分けていますので、ぜひすべてに目を通してください。

1.Webサーバーとは何か?

ホームページを作成して公開するために、Webサーバーが必要なことはご理解いただけたと思いますが、「意味が分からないから、基礎的なことを知りたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、基本的なことからおさらいしておきましょう。

Webサーバーは、機械自体パソコンでも構わないんですが、インターネットからのアクセスを受け付けるソフトウェアを動かしておく必要があります。しかも、常時ネットに接続した状態を維持する必要があります。つまり、いろいろな設備やソフトが必要になるんですね。

ネットからのアクセスを許可しながらも、それ以外はアクセスさせないようにするという、かなり高度な仕組みです。これを自作で自宅や会社に設置すると、24時間稼働のための設備や知識、さらには多額の費用が必要になるので、一般的にはサーバーをレンタルします。

したがって、ホームページ用のWebサーバーと言えば、一般的にはレンタルサーバーのことを指しますので、これ以降はそのお話をしていきます。

2.レンタルサーバーは、大きく分けると2つある?

ホームページ用のレンタルサーバーは、大きく分けると『VPS』と『共有サーバー』の2種類があります。そこで、どのような違いがあるのか、どちらがおすすめなのか説明しましょう。

VPS(バーチャル・プライベート・サーバー)

VPS(バーチャル・プライベート・サーバー)は簡単にいうと、何でもできるサーバーです。自分や自社専用に、インフラ設備も含めてネット上で仮想的にレンタルするので、好きなサーバーソフトをインストールし、好きなように使えるのが魅力です。

ホームページのサーバーを自作したいけれど、費用をかけられないとか、安全な設置場所が無いという場合におすすめです。当然ですが、高度な知識が要求されるものの、自分専用のWebサーバーを手に入れることができるのは魅力でしょう。

OSはWindows か Linuxが選べますので、どちらかを選択してサーバーを構築しますが、インストールや設定、管理や保守の作業は遠隔操作で行います。あくまでも、基本ソフトの機能だけを借りるということになるので、個人や法人で借りるバーチャルなものなんですね。

したがってこのタイプは、自前でサーバーを作成したいけれど、「できるだけ費用を抑えたい」とか「面倒な管理もなるべく避けたい」という場合に、選ぶと良いと思います。

共有サーバー

共有サーバーは、ホームページ公開用のスペースを貸してもらえるサービスで、一般的にはこちらが主流です。1台のマシンを複数の契約者で共有するので多少の制限はありますが、Webサイトを公開するために必要なことは、ほぼすべてできるようになっています。

すでに必要な機能は用意されているため、使い方が簡単で、費用も安いのが大きな魅力です(要するに割り勘ですね)。ホームページだけなら共有サーバーで十分なので、私のおすすめはこちらです。

今回は、初心者にも分かりやすい、『共有サーバー』について説明していきます。

参考 100社レンタルサーバー比較:レンタルサーバーを徹底比較(注:外部サイト)

3.共有サーバーをレンタルすると、何が使えるのか?

クラウド

続いて、共有サーバーをレンタルすると何が使えるのかを説明しましょう。契約すると貸してもらえるものは、一般的に次の通りです。

a.ディスクスペース

ファイルを保存するためのディスクスペースが、数十GB ほど貸してもらえます。ホームページを公開するためには、HTML、CSS、画像ファイル、またはWordPress(ワードプレス)などが必要になりますが、これらを保存するための空きスペースが確保されるわけです。

一般的に考えて、ホームページに必要なのは数百MB程度ですから、GB単位で貸してもらえるのであれば、十分な容量だと言えるでしょう。

b.Webサーバー

先ほどの、ホームページを公開するためのWebサーバーです。ほとんどの共有サーバーではApacheというソフトが稼働しています。HTMLやWordPressにアクセスすると、ホームページとして表示してくれるのは、このソフトが機能しているからなんですね。

したがって、ホームページを公開するためのレンタルサーバーは、「Webサーバーソフトが稼働しているコンピューター」ということを覚えておきましょう。

c.メールサーバー

サーバーをレンタルすると、メールサーバーも同時に貸してもらえます。一般的には、数個から数千個のメールアドレスを発行(契約のプランによって異なる)できます。フリーではなく、自分専用のアドレスを取得できるわけですね。

具体的には、次に説明する独自ドメインの取得によって、専用のメールアドレスが取得できます。レンタルサーバーの業者によってタイプが異なり、サーバーにメールを保存する「Webメール」タイプの場合もあれば、「メーラー」で送受信するタイプの場合もありますよ。

d.ドメイン

ドメインは、URL の「example.com」の部分のことです。先に使われていなければ、好きなものを取得することができます。取得は必須ではないので、別料金になっているのが一般的です。サーバー会社が用意しているものを利用すれば無料ですが、独自ドメインの取得がおすすめです。

費用は年間で 1,600円程度(ドメインにより価格が違います)からなので、高くはありません。仕事用で集客を念頭に置くなら、独自ドメインを取得すべきでしょう。覚えやすさという点と、メールアドレスにも含まれるという点があるからです。

e.CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)

CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)とは、ホームページ作りを支援するシステムのことで、文章と画像を挿入するだけで簡単にホームページが作れます。実質的にはブログ作成システムのようなもので、サーバー側に組み込んで使います。

WordPress、Movable Type、XOOPS Cubeなどが利用できるでしょう。ただし、プログラムの使用を認めることになるので、サーバーのレンタル業者によっては制限があるようです。CMSを利用したい場合は、契約する業者の制限事項を必ず事前確認しておいてください。

続いて、Webサーバーの選び方を、具体的にパターン別けしてご紹介します。

4.サポート体制が充実しているサーバーを選ぶ。

知識があまりない初心者がサーバーを選ぶ時のポイントは、サポート体制の手厚さです。電話やメールですぐ対応してくれると、何も知識がない人にとっては安心ですよね。また、Q&Aなどサイトの情報量や説明のうまさも、充実度を計る判断基準になるでしょう。

ただし、サポート体制が充実していると、どうしても費用は高くなります。やはり人件費は大きいですから、そこはやむを得ないでしょう。もし、よくわからないときは、サーバー業者に問い合わせてみてください。初心者に優しい会社なら、理解しやすい返答をしてくれると思いますよ。

サポートが充実している場合は、ホームページを公開するまでの作業を、代行してくれる場合もあります。もちろん、コンテンツ自体の作成は自分でやらなくてはいけませんが、公開までの作業に自信が無いときは、選択肢の一つとして考えても良いのではないでしょうか。

したがって、初心者の場合はやや費用が高めでも、サポートの手厚さを重視したほうが、結果的に安心して使えるのではないかと思います。

5.コストパフォーマンスの良いサーバーを選ぶ。

どうしても費用を安く抑えたい場合があると思います。そのような場合は、サポート体制の優先順位を下げると、コストパフォーマンスの良い(比較的安価な)サーバーを見つけられると思いますよ。ただし、料金だけを重視するのは避けたほうが良いでしょう。

というのも、サーバーの速度が遅い場合があるからです。表示までのレスポンスが悪くなるので、ブログの広告収入で儲けたいときや、事業用としてレンタルするには、耐えられないかもしれません。費用を抑える場合は、その点に注意しましょう。

そのほかでコストを抑えられるのが、SSL証明書を無償提供してくれる業者の場合です。暗号化通信のために必要なんですが、通常は別途費用を払って購入する必要があります。ただし、無償提供しているサーバーは基本の契約料が高額な場合があるので、気を付けてください。

単純に金額が安いだけでなく、同じ金額でどれくらいサービスが充実しているかを比較すると、コストパフォーマンスの良いサーバーを選ぶことができますよ。

ところで、無料のサーバーはお勧めしません。なぜなら、利用したい機能が有料になっていて、最初から有料のサービスを選んだ方が安かったということがあるからです。

6.許容量の大きいサーバーを選ぶ。

人気サイトを目指すのであれば、アクセス集中に対応できる許容量の大きいサーバーを選ぶのもポイントです。1か月あたり100万ページ以上の閲覧がある場合は意外と重要ですよ。サイト訪問者が多数集中すると、制限がかかって閲覧不能になったり、極端に遅くなってしまいますからね。

これは、サーバーの仕様として公開されていますので、必ず確認してください。アクセス集中に対応できる許容量の大きさがあるということは、人間でいえば基礎体力がしっかりしているとも考えられますので、安定性の高い運用ができるとも考えられますよ。

どう考えても100万ページまでいくことが無さそうであれば、そんなに気にすることでもないと思いますが、サーバーの基礎体力が高いと安心感は大きいでしょう。ところで、安心と言えばホームページのデータをバックアップする機能も重要です。

というのも、基本的にほとんどのサーバーは、バックアップしてくれないんです。したがって、基本的には自分で万一の事態に備えることになります。しかし、データの予備を作ってくれるサービスが用意されていれば安心ですので、予算が許す限り積極的な利用がおすすめです。

このように、許容量が大きいサーバーやバックアップ機能のある、安心感の高いサービスを契約するのも大事なポイントですよ。

7.速度の速いサーバーを選ぶ。

速度が速いサーバーは閲覧が軽快なので、見ている人にストレスがかかりにくくなります。HTML で表示している場合は影響が少ないんですが、WordPressを使うと途端に遅くなるサーバーがあるようです。そこで、特別な専用チューニングを施したものも選択肢の一つですよ。

というのも、一般的なサーバーは、WordPressが高速に動作するよう最適化されていない場合がほとんどだからです。あくまでも、動作を保証しているだけなんです。したがって、高速動作することをウリにしているサービスを選ぶのは、ポイントとして大きいでしょう。

なお、HTMLでホームページを作る場合は速度まで考えなくても良いですが、WordPressを使いたい場合は、サーバーの速度も検討してください。なお、専用チューニングされている場合は、提供されるサービスが限定されることがあるので、自分の希望と合うか必ず確認しましょう。

まとめ:選択基準を絞って、サーバーを選びましょう。

いかがでしたか? ホームページのサーバーについて、選び方を説明しました。

今回ご説明したのは、ホームページの公開はWebサーバーで行うという基本的なことから、レンタルがおすすめであることや、具体的な選択基準など全部で7つの重要なポイントでした。

サーバーを無料や、できるだけ費用を掛けないようにしたい方は多いようです。確かに、無駄に出費する必要はありませんが、多少は(年間 3,000円程度)費用を掛けたほうが、圧倒的にできることが多いし、サポートの手厚さや信頼性、利便性などが充実しますよ。

ホームページを一旦公開すると、サイトの引っ越し(変更や移行)は簡単ではなく、後々まで尾を引いてしまう可能性があります。中途半端に無料のサーバーを選んで後悔しないように気を付けてください。ひと月に250円ほどですから、頑張って工面しましょう!

なお、ご紹介した条件を全部満たすことは無理ですので、絶対に外せないものを決めて絞り込むことが重要です。選択基準を明確にして、後悔なくサーバーを選んでいただければ何よりです。

以上、「ホームページサーバーの選び方」と題して説明しました。