Instant WordPressPHPのバージョンアップ
方法を説明します。読者対象は、PHPのバージョンが古いためにテーマやプラグインが動作しないとお困りの方です。PHPのバージョンアップ手順をわかりやすく説明しています。
Instant WordPress PHPを更新する意味とは?
このページをご覧になっているということは、「Instant WordPress のPHPはどうやってバージョンアップするんだろうか?」とお困りなのだろうと思います。ところで、なぜPHPのバージョンアップを行おうとしているのですか? それは、動作しないプログラムがあるからではないでしょうか。
WordPress用テーマやプラグインの中には、「PHPのバージョンが低い」と警告されてしまう場合がありますからね。そこで、Instant WordPress のPHPをバージョンアップする方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしていただいて、動作を確認してみてください。
Instant WordPress PHPのバージョンアップ手順。
それでは、Instant WordPress PHPのバージョンアップ手順をご紹介します。念のため、PHPの適合バージョンをダウンロードするところから説明していますので、すでにご存じの方は読み飛ばしていただいても構いませんよ。
PHPの適合バージョンをダウンロード
最初に適合するバージョンからダウンロードしましょう。なぜ、最新版ではないのかというと、サーバーソフトウェアのApacheが古いからです。Windows 32bit 用の 2.2.15 というバージョンが採用されているので、このバージョンで動作するPHPは限られてきます。
今回使用したのは、バージョン 5.4.45 です。元が 5.3.2 なので、次のバージョンということになりますが、基本的には『php5apache2_2.dll』が含まれているバージョンなら動作すると思われます。ダウンロードは、公式サイトのアーカイブから行います。
サイトはこちら ⇒ windows.php.net – /downloads/releases/archives/
例:php-5.4.45-Win32-VC9-x86.zip(バージョン 5.4.45)
PHPのインストール
PHPをダウンロードしたら、続いてインストールを行います。手順は以下の通りですが、5.4.45をダウンロードした場合を例に説明します。時系列で順番に説明していますが、要するにフォルダを入れ替えるだけなので、詳しい方はこの通りにしていただかなくても構いません。
- Instant WordPress が起動していないことを確認。
- php-5.4.45-Win32-VC9-x86.zip を展開してフォルダを準備。
- \iwpserver\server\ に名前を変更せずにそのままフォルダを移動(またはコピー)。
- 元からある php フォルダを念のためバックアップする(移動または名前を変更する)。
- php-5.4.45-Win32-VC9-x86 フォルダの名前を php に変更する。
- インストール完了。
これで PHP のインストールは完了です。しかし、このままではWordPressが動作しませんので、さらに作業が必要です。(実は、PHP自体は問題なく動作します。)
設定ファイルの書き換え
続いて、設定ファイルを書き換えます。これは、PHPを単純に入れ替えただけではWordPressが動作しないからです。どうやら仕様が変わってしまうらしく、データベースへのアクセスができなくなるんです。ですが、設定ファイルの一部を書き換えればアクセスが可能になりますよ。
- Instant WordPress が起動していないことを確認。
- \iwpserver\server\config_tpl\ フォルダを開く。
- php.ini ファイルを見つけてエディタで開く。
- 以下の記述を見つける。
extension=php_mysql_libmysql.dll
extension=php_mysqli_libmysql.dll - 次のように書き換える。
extension=php_mysql.dll
extension=php_mysqli.dll - 上書き保存する。
これで、設定ファイルの書き換えは完了です。なお、書き換えるのではなく、行の先頭に;(セミコロン)を入れることでコメントアウトすることもできます。心配なら、コメントアウトして追記する方法を採ると良いと思いますよ。
動作確認
動作確認は、そのまま普通に起動してください。最初のメニュー画面は普通に起動すると思います。問題はその先で、[WordPress Admin]のボタンをクリックして、WordPressのログイン画面が表示されるかどうかです。もちろん表示されれば、PHPのバージョンアップは成功です。
参考:バージョン表記を変えるには?
参考資料として、バージョン表記を変える方法をご紹介します。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、起動画面のバージョン表記が自動で更新されません。というのも、WordPressのバージョンは自動取得していますが、PHPは定義ファイルの記述を読み込んでいるだけだからです。
起動画面の表記だけなので、まったく動作には関係ありませんが、気になる方もいらっしゃると思うので、表記の書き換え方を説明します。
- Instant WordPress が起動していないことを確認。
- \system\config\ フォルダを開く。
- iwp.ini ファイルを見つけてエディタで開く。
- 以下の記述を見つける
php_ver = “PHP/5.3.2” - 数字部分をインストールしたPHPのバージョンに合わせて書き換える。
- 上書き保存する。
これで、起動画面のバージョン表記が変更されました。起動して確認してみてください。
※ この例では、バージョンを「5.4.45」に書き換えています。
まとめ:問題がある場合のみ試してください。
いかがでしたか?
Instant WordPress PHPのバージョンアップ方法をご紹介しました。PHPのダウンロードから始まって、インストール、設定の書き換え、動作確認と行いましたね。これで、PHPのバージョンが低いためにプログラムが動作しないという問題は、解決できるんじゃないでしょうか。
なお、注意していただきたいのは、バージョンアップした後に完全に動作するかどうかがわからない点です。もちろん私もある程度動作確認しましたが、動作の保証まではできませんので、申し訳ありませんが自己責任でご利用いただきたいと思います。
したがって、PHPが古い状態でも動作するなら、無理にバージョンアップしないほうが無難です。テスト環境とはいえ、動作しなくなると困るでしょうから、Instant WordPressをフォルダごとバックアップするなどして、万一に備えてお試しいただければと思います。
以上、「Instant WordPress PHPのバージョンアップ方法。」と題して説明しました。