トヨタの強みを、販売戦略の面から分析します。(1)

トヨタの強み販売戦略の面から分析します。読者対象は、トヨタの強みを知りたい方ですが、営業職の方や経営者にも適した内容です。例示を使って強みを解説しただけでなく、集客への応用の仕方も詳しく説明しているからです。

トヨタの強みを、販売戦略の面から知る意味とは?

自動車業界で大きなシェアを持っているのがトヨタですよね。トヨタ車に乗っている方は多いんじゃないでしょうか。しかし、私は自動車マニアなので、実はトヨタ車に魅力を感じません。では、多くの方が魅力を感じるトヨタ車には、一体どんな強みが隠されているんでしょうか?

ズバリ先に言ってしまうと、トヨタの強みは『ニーズを見抜く力』にあります。そして、トヨタの強みを知ることで、実は集客の本質も見えてくるんです。つまり、販売戦略を知るということは、ニーズを見抜く力の重要性を、知るという意味でもあるんですね。

そこで、なぜトヨタはニーズを見抜く力という強みを身につけることができたのか、その謎に迫ってみましょう。

トヨタの強みを、販売戦略の面から分析した結果を解説。

それでは、トヨタの強みを販売戦略の面から分析した結果をご紹介します。

トヨタの躍進について考える。

まず、最初にトヨタの躍進について簡単に考えてみます。

自動車会社の設立が相次いだ数十年前は、トヨタのシェアは小さいものでした。しかし、そこから年月を経るごとにトヨタのシェアは大きくなり、今では世界で1,2位を争っています。正直言ってトヨタの車が最高にいいと思う人は少ないでしょう。評論家も常に厳しい評価をしていますしね。

でも、トヨタの車は売れまくっていますよね。そこで、どうしてそんなにトヨタ車が売れるのかを分析してみました。当然複合的な要因はあると思うんですが、当サイトはホームページの集客コンサルティングが仕事ですので、観点を『集客』の一点に絞りました。

トヨタと日産の、販売競争を振り返る。

続いて、トヨタと日産の販売競争を振り返ってみます。長らく、トヨタと日産はバチバチのライバル関係にありました。最近はトヨタの一人勝ちの状態ですが、『デザインのトヨタ』に対して『技術の日産』みたいな言われ方をして、買うならどっちかしかないような感じだったんですよね。

例えば、BC戦争と言って『ブルーバード対コロナ』の競争もありましたし、『ローレル対マークII』なんていう争いもありましたね。そして一番激しい競争だったのが、『サニー対カローラ』だったのではないでしょうか。かなり激しく戦っていたんですが、そこから学べることがあるんです。

それは、集客戦略の違いです。この二者の戦いの間に、訴求ポイントの違いがみられます。そこで、何が勝敗を分けたのか、トヨタと日産の販売競争から訴求ポイントを探っていきます。

どうやってカローラはサニーに勝ったのか?

さて、どうやってカローラがサニーに勝ったのでしょうか? まず、車の性能について断言できるのは、サニーの方が圧倒的によい車だということです。走りは下手なスポーツカー顔負けで、大衆車の性能ではなかったでしょう。しかし、カローラは見事な販売戦略でサニーを負かします。

当時のことを知る方ならきっと覚えていることでしょう「100ccの余裕」というキャッチコピーを。エンジンの排気量が、サニーは1000ccであるのに対してカローラは1100ccにしたんです。これが印象的でカローラを選んだ方も多いんじゃないでしょうか。

でも、冷静に考えると、自動車税が1000ccを境に大きく上がるので、100cc多いカローラは金銭面では確実に不利なんです。また、100cc多いカローラよりもサニーの方がパワフルに走ったという話はよく聞きます。不思議ですよね、性能や金銭面で不利なカローラがなぜ売れるんでしょうか?

ここから、どうやってカローラはサニーに勝ったのか、理由が読み取れます。

トヨタは、お客様のニーズを的確につかんだ。

カローラが勝利した理由は、トヨタがお客様のニーズを的確につかんだことにあります。カローラの売りは、サニーに比べて排気量が100cc多いという点です。近年ではターボを搭載して排気量は下がる一方なので、理解不能な方もいらっしゃるでしょう。

それは当時の時代背景を考えると納得できます。当時は車がステータスシンボルだったので、持っているだけで大変なものだったんですね。ということは、性能が問題なのではなく、どれだけステータスシンボルとして高く評価されるかが、車を所有するうえで重要な要素だったんです。

だから、多くの方が、少しでも排気量が大きいエンジンの車に、強い魅力を感じたんだと思います。つまり、100ccの余裕というのは、性能を意味するのではなく『自分の懐具合に余裕がある』という意味だということなんですね。

トヨタは、車を「走る楽しさ」ではなく「ステータスシンボル」として売ったと考えられます。いかに、お客様のニーズを的確に掴むのが重要であるかが、よくわかりますよね。

なぜ、トヨタはニーズの把握ができたのか?

「うまい販売戦略をとったなぁ」と感心してしまいますが、どうしてトヨタはそんなにうまくニーズの把握ができたんでしょうか? これは皮肉なことに、性能が劣る商品しかなかったからなんです。初期のころのトヨタ車はどのメーカーよりも劣っていたと言わざるを得ないでしょう。

トヨタも、車の性能では勝負できないことをよくわかっていたので、車を購入する人たちのニーズを考え抜いたと思われます。「お客様は何のために車を買うんだ?」というところを徹底的に研究したんでしょう。その結果、ステータスシンボルとして売ることに行きついたんだと思いますね。

そして、時代の変化とともに変わるニーズを読み続けて、売り上げを伸ばしたということなんです。

お客様目線を持つことの、重要性とは?

トヨタがお客様を徹底的に分析したということは、お客様目線を持っているということです。実は、お客様目線を持つことは、とても重要です。なぜなら、それが集客の本質だからです。世の中見回してみれば、商売のうまい会社は意外と技術力が低いことに気づきませんか?

技術力のある会社ほど商売下手ということが多いですよね。どうやら、技術力が高い会社は「お客様のニーズは技術力の高さである」と思い込んでしまうようなんです。技術力の高さはマニア受けはいいんですが、一般のお客様には響きません。ハッキリ言ってよくわからないんですよ。

なので、どれだけ本当のニーズを把握できるのか、つまり『お客様目線』で判断できるかが最も重要なんですね。儲けるためにはこれしかないんじゃないでしょうか。

まとめ:集客には、ニーズを見抜く力が必要です。

いかがでしたか?

トヨタの強みについて、集客的な目線で販売戦略を分析してみました。もちろん現在では技術力の高いトヨタですが、当時技術では太刀打ちできませんでした。そこで、お客様に望まれていることを徹底的に追求したんですね。つまり、売りたいものではなく、売れるものを作ったわけです。

お客様の目線に立って本当に必要とされているものを見抜いたところは、商売のうまさを感じますよね。このように、お客様のニーズを的確に見抜く力は、集客と名のつく事すべてに共通して必要な力です。このページを、集客に悩まれている方の参考にしていただければ幸いです。

以上、「トヨタの強みを、販売戦略の面から分析します。(1)」と題して説明しました。

トヨタの強みを、メンテナンス面から分析します。(2) もありますよ。